2005年の秋、出茶屋を始めて間もない頃、
「やっと見つけた」と一人のおじいさんが笑ってました。
骨董屋さんのその人は、それから出茶屋の出る日々、毎日お店に来てくれた。
ひとりでもお客さんが来る、と思えばお店出すしかないだろうって笑いながら。
調子のいいおしゃべりで、たくさんの輪が広がって、
「バーベキューやろう。」とか、常連さんの演奏家の方に「みんなに聴かせてよ」とか、当時の私からは出てこないようなことをずばずば。
それから毎年の恒例行事も増えていって。
このちゃぶ台は、骨董屋さんのその人に頂いたもの。
今は小金井に居ないけれど、ちゃぶ台がいろんなものをつないでくれる。
おかげさまで、たくさんの人に応援してもらって、今の出茶屋があります。
「初心忘るべからず。」世阿弥の書いた『花鏡』の中の言葉。
芸の最初の未熟さを忘れないこと。
上達の段階の度の初心を忘れないこと。
たとえ達人の境地に達しても、新境地は初心に足を踏み入れること。
ありがとう。
屋台を引くのは楽しくてやめられない。これからも、ちゃぶ台運んでいきますよ!