新野の夏の盆踊りは国重要無形民俗文化財に指定されている。
約500年続く新野の盆踊り。
大正15年に柳田国男さんが来村し、「この踊りは盆踊りとして完全な特徴をもっている珍しいものなので、この形をくずすことなく後世に伝えるように」と勧めたそうな。
この盆踊り、なんと夜21時〜朝6時まで。三味線、笛、太鼓など鳴り物を一切使用しない。
8月14日〜17日の3日間、徹夜で唄い続け踊り続けるのです。
甚平に下駄、日本酒片手にばっちりな一男さん。
しかし!頑なに踊りません(笑)。
イギリスでも踊ったことなんてない、と終始日本酒飲みながら盆の夜を味わってました。楽しかったようなので、まあいいか。
私とK子は、扇子を持って、見よう見まねで踊りの輪の中に。一晩中踊り続けるものとあって、とてもゆっくりで、シンプルな踊り。独特の唄の音程と調子と、踊り続けているとぼーと踊りの中に入っていくような感覚。
いとこの長女、渚ちゃんと。
彼女は唄が好きで、踊りも上手。渚ちゃんの唄に聞き惚れながらお手本にして踊りました〜。
櫓の上の音頭取りが上の句を歌い、踊り手たちが下の句を踊る。7つの踊りの中の6つを代わる代わる、踊り続けます。唄はどんな踊りにもあうようになっていて、何百とあるそう。こちらは、扇子を使ってしっとりと踊る『おやま』
私たちは、さすがに疲れて夜中の12時過ぎに退散。
帰るすがらの真っ暗な山道に、お盆の唄がこだまして、なんとも神秘的でした。
いとこたちは朝まで踊り続けたそう。しかも朝はどしゃ降りの雨!
だんだんテンション上がっていくの、分かる気がします。
これは3日目の朝の様子。
7番目の踊り『能登』。この踊りは盆踊りの最後17日の早朝「踊り神送りの式」を行う時間に限って踊る。
新盆を迎えた切子灯籠 を送り出す行列と、神様を引き留めようと踊りで邪魔をするせめぎあい。
最後はみなで送り火を見守る。ご先祖さま、精霊たち、神様たちを送った後は、家に帰るまでふりかえってはいけません。
柳田国男の高弟の民俗学者で詩人の折口信夫に「風の吹きたまりのような所で古代芸術のふきたまりだ」と紹介された新野。
冬にはこれまた重要無形民俗文化財の約750年続く『雪まつり』がある。
母は冬は寒いから帰りたくない!と言って子どもの頃は一度も行ったことがなく、大人になってから初めて一人で一度だけ行ったことがある。
雪祭りは、−15度の寒空の中、これまた夜通し、笛と舞を踊るのだ。
いつかまた行って詳しく話せたらいいな、と思います。
そしてまた、新野には300年前に即身仏になった行人様がいる。
行人様に関しては、母、米子から一度も聞いてない!大人になってから知った。もう、知ってれば行ったのにー。
行人様の御開帳は年に2回だけ。
300年。新野の山の上から、世の平和を毎日祈り続けているそうな。
いつかお目にかかりたいと思います。
しかしすごい。
たった3日の旅、しかも往復18時間かけた(笑)ので、一日と少しの滞在でしたが、とてもいい旅でした。
涼しかったなー。
この夏は、お客さんに勧められて諸星大二郎の「妖怪ハンター」を読んでめっちゃはまってたのもあって、民俗学的にもとーっても興味深い新野。
もっと知りたいし、伝統文化を伝えていきたいなと思いました。
盆唄より
「盆にゃおいでよ七月おいで 死んだ仏も盆にゃ来る」
「行者山から新野を見れば 人は丸いが田は四角」
「新野よいとこ千石平 嫁にやりたや婿ほしや」
そりゃ。
いやー動画まで入れていただき感激です。
意外と自分が写っていて恥ずかしい。
このページを見て多くの人が来てくれるといいなと思います。
次は9月16日の行人様秋の御開帳です。昼は鉄下駄駅伝大会。餅なげ。夜はなんと
長野県で一か所だけの豪華二尺(66cm)玉入りスターマインの花火大会があります。
ほとんどが尺玉(33cm)なので至近距離で山に囲まれていて、衝撃波がすごいです。
東京では決して許可になりません。是非、また。
武蔵小金井、かって青春の1ページ大学生活をおくった街、その懐かしさに魅かれて開いたところ
新野の盆踊りに出合いました。新野は高校時代の同級生がいてたびたび訪れましたが、盆踊りには
行ったことがことがありませんでした。動画まで見せていただいて大変感激しています。同級生は他界してしまいましたが、彼も夜通し踊っていたのかと偲んでいます。ありがとうございました。
信夫さん
動画は去年のお祭りをどなたかが撮っていたもの。こないだ踊って好きだった『おやま』があってよかった〜。
『能登』も、みんな写ってて嬉しくなりました〜。新野から、帰りのバスが一緒だった新宿から夜通し踊りに来てた方、去年の動画にもいました!すごいっ!
観光客は少ないけど、はまる人は毎年だったり。すごい。
北原さま
コメントありがとうございます。
すごい偶然ですね!「死んだ仏も盆にゃ来る」と唄にあるように、3日間、共に踊って、そしてまた送り出すということを本当に大切にしているお祭りです。いつか訪ねてみて頂ければ嬉しいです。